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2000年5月20日
高木敏雄HomePage


オークション出品にあたって

国宝教王護国寺五重塔模型

 洛南の偉観東寺五重塔 本塔は一般には「東寺」で知られる真言宗教王護国寺(京都市南区九条町)境内東南隅に聳え建ち、その堂々たる偉容は本邦最大、最高を誇るが、空海による創建以来屡々罹災し、現存の塔は寛永二十年(1643)五度目の重建になるものである。

 これの造営にあたっては当時すでに入札が導入され世間入札と称する一般の参加もあったが、結局は五畿内、近江六ヶ国の大工以下諸職人の頂点に立つ京都大工頭中井家の手になり,入札諸資料を作製した同家の直属棟梁今奥五郎太夫(和泉)が手間請することとなった。

 造営技術陣としては中井家当主後見役の中井正純が大工を、次いで棟梁今奥和泉や中井家中の有力大工で占められ、何れも単独個人で参加したが、当家の祖二代目木作右衛門は江州大工組として輩下を連れて参加した。

東寺五重塔模型作製の動機

 私は幸か不幸か、社寺建築十三代目を継承する親父の嫡男として出生、同職を継がせたいと希う父の洗脳に嵌って否応なしに大工にさせられたが、その直後親父の夭折による不遇にもめげず同業の人達の末席を汚し乍ら、先祖の誇りを胸中に秘めて数々の文化財修理や、一般社寺造営に参加、その努力の甲斐あって、平成六年全日本建築士会より伝統技術保持者としての認定を受け,同八年馬齢を重ねたこともあって一応引退、以来後進の諸兄の役に立ち乍ら念願の模型造りに専念した。

 就中、先祖作の東寺五重塔に関しては昭和二十八年に立案以来執念を燃やし、また異様ともいえる私の計画に賛同して下さった文化財関係の諸先生から資料や暖かい助言を戴いた。

 時は移って昭和三十四年東寺塔が修理されることなり、田舎大工乍ら臆面もなく、先祖の栄光のみ振りかざして修理工事に参加する許可を戴いた。この千載一隅の好機にと、二年間の工事中の休憩時間に部材の殆どを克明に実測し、実物と寸分違わない模型作製のための資料収集に躍起になっていた。加えて最近では文化財による修理報告書が公開されているところから、特に本塔模型作製にあたっては他の追隋を許さぬ充二分な資料が得られたことによって忠実に再現した究極の作品と自負致します。

寸法

1.初重柱間
36.6糎(cm)
2.基壇一辺
60.0
3.同上高さ
4.1
4.塔高さ 
182.8 (基壇高を含まず)

 

使用木材
尾州桧(最上木曽桧)
屋根
同上材(本瓦葺)
相輪
同上材
重量
36キログラム
その他
移動の便を考え五分解可能
制作期間
自 平成8年5月7日
至 平成11年8月13日
(通算三年四ヶ月)